大工の日

昨日は、入籍する人が多いと言われる「良い夫婦の日」でしたが
11月22日は、「大工の日」でもあります。
(「11月二二日」、11はニ本の柱を表わし、ニは土台と梁あるいは桁を表している)

大工という言葉が一般的に用いられるようになったのは江戸時代も後期になってからで、
古くは建築技術者の職階を示し、木工に限らず各職人を統率する長、
もしくは工事全体の長となる人物をさしていたらしい。
「大 匠」から「大 工」に変わり「おおたくみ」と呼ばれ、
「意匠」という言葉は、「匠(大工)」が「意図する(考えた)」という意味で
デザイン性を表す昔ながらの言葉でもあります。


現在でも、大工の頭・親方を、「棟梁」と言いますが、
棟(むね)と梁(はり)は、建物において重要な部分であることから
棟梁は集団を統率する中心的な人物を指し、近世頃大工の親方を指すようになったとのこと。
この「棟梁」が、President の和訳として「大統領」の語源になった説が有力で、
棟梁(大工の長)は、最高の統率者であり、皆が、敬意を表すほどの者でもあったのです。

今、その大工の不足が深刻になり始めています。
大工だけでなく、産業の根幹を支えてきたあらゆる職種の職人不足と高齢化が進んでおり
技術の継承と職種の存続自体が危ぶまれ、国も、大工人口の激減に対して、
ようやく手を打ち出しましたが、工業化、機会化、デジタル化の進歩と手仕事とのせめぎ合い、
待遇改善など課題も多く、危機的状況が迫る大工不足に歯止めをかけられるのか?
今後の取り組みが注目されます。

2018年の男の子の「大人になったらなりたいもの」ランキングで
15年ぶりに学者・博士が1位になり、続いて、野球選手、サッカー選手、医者、警察、
そして、6位に「大工さん」が入りました。
(第一生命保険株式会社が、全国の幼児や児童1,100人を対象に行った調査)

デジタル時代の子供たちが大工に興味を持っている事が解り、少し明るい話題でもありますが、
この先、彼らが大きくなっても関心を持ってくれるような職種となるよう、
大工不足問題は取り組んでいかなければならない課題であり、
いつまでも「大工」が家の担い手であることを望みます。