自由学園 明日館を訪ねて


この夏の「真夜中ドラマ」で放映されていた『名建築で昼食を』という、
都内の様々な建築物を、実際のスタッフの紹介で堪能できるドラマ、
ご覧いただいていた方はいらっしゃいますでしょうか?

この番組に出ていた【自由学園 明日館】の昼食会にいってきました。

自由学園明日館は、池袋駅からすぐの西池袋の立地にあります。
プレーリーハウスと呼ばれる、建物の高さを抑え、四方に開けた新しい建築様式を確立した、
フランク・ロイド・ライトと、その弟子の遠藤新の設計です。

現在は、国の重要文化財となっています。
池袋の駅前なのに、とても空が広く感じられる伸びやかな空間でした。

戦前の建築家の多くは、建物そのものだけではなく、インテリアもひとつひとつ設計していたそうです。
こちらの椅子もライトの設計です。

建具や窓のデザインと統一された幾何学的な文様が美しく、教室に設けられた窓と、椅子のデザインも素敵でした。
椅子はこどものサイズなのですが、大人が座っても簡単には壊れないようなしっかりとしたつくり。

こちらの窓は建物の北側にあるのですが、
修復の際に壁を取り払ったところ、施主のご意向で、筋交いを切って設けたことがわかったそうです。
今では考えられないことですね!

壁画

太平洋戦争中は漆喰の下に隠されていたという、壁画。
自由学園の生徒さんが描かれたものだそうです。

冬の見学会では、暖炉に火を入れていただけるそうです。

建物の至る所に大谷石が見られますが、こちらは同時期にライトが設計していた
帝国ホテルで使用していたものと同じものだとか…
実際に帝国ホテルのものなのか、詳細はわからないそうです。

大谷石は柔らかく加工しやすい為、古くから建築物に使われており、
弊社で購入する土地に建っている古い建物の外構に使われていたりもしますが、
こんなにもモダンに設えられているのは、ライトの設計ならではと感じました。

食堂の照明は、天井の高い空間を暗く感じたため、一晩でライトが考えたものだそう。
建具にも同じデザインが施されています。

建物の至る所に同じ幾何学のデザインが施されています。
そして、年4回だけという昼食会の内容がこちら。
コルドンブルーのお料理を、重要文化財の中でいただくという贅沢なひとときを満喫してきました。

前菜の一皿。
飲み物はフリーフローです。

メインはパスタか、ラザニアを選べました。

↑ティーカップもライトのデザインです。
昼食会は、予約開始からすぐに無くなってしまうので、
気になる方はぜひ自由学園のホームページをご覧ください。

建物の見学は、開放日であれば、いつでも可能だそうです。
美味しい食事はもちろん、時間を経てもなお、新しく感じる素敵な名建築を堪能でき、建築好きには堪らないひとときでした。